2015年07月01日

「HGUCスターク・ジェガン(CCA-MSV ver.)」レビュー。

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6月18日に発送されたプレミアムバンダイ限定ガンプラ
「HGUC スターク・ジェガン(CCA-MSV ver.)」です。

地球連邦軍の量産型MSジェガンのバリエーションモデルが
プレバン限定ガンプラで次々とリリースされていますが、
このキットもそのうちのひとつとなります。

スターク・ジェガンというと、映画「逆襲のシャア」公開当時に
明貴美加氏によりデザインされたMSVで、その後「ガンダムUC」にて
カトキハジメ氏によりリファインされたものが登場しています。

今回キット化されたのはそのガンダムUCに登場したものではなく
一番最初に明貴美加氏によりデザインされた
逆襲のシャアMSVのものという事になる…はずなのですが、
実際に発表された商品仕様を見て、多くのガンダムファンは混乱したと思います。

というのも、発表された商品仕様は明貴美加氏による
一番最初のスターク・ジェガンではなく、
ガンダムUCに登場するスターク・ジェガンによく似たものだった為です。

ここで「スターク・ジェガン」のデザインを見てみましょう。
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画像左が明貴美加氏による本来のCCA-MSV版、
真ん中が今回のキットで、
右がカトキハジメ氏によりガンダムUC小説連載時に
参考用としてジェガン系のデザインの整合性と整えたリファイン版です。

見て分かる通り、今回のキットは明貴美加氏のものではなくて、
このUC小説リファイン版となっています。

CCA-MSV版と言えばほとんどのガンダムファンは
明貴美加氏によるデザインを連想するはずなのに、
なぜキットではCCA-MSV版を名乗りながらそうではないのか。

それは簡単で、ただ単に金型流用で安く仕上げる為です。
デザインをカトキリファイン版にしておけば、
新規パーツを少し追加するだけで製品化できますが、
明貴美加氏のデザインではほぼ完全新規でしか商品化できないからですね。
とはいえ、なぜかカラーリングがUCリファイン版ではなく
ガンダムUC版スターク・ジェガンと同じになっているのは謎です。
UCリファイン版は明貴美加版ほどではないにせよ、
明るいグリーンですからね。

ちなみに明貴美加氏によるスターク・ジェガンは、
ガンダムUCのep3とep7にて「プロト・スターク・ジェガン」として登場しています。
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こちらもキット化が期待されていますが、
CCA-MSV版が強引な手法でキット化された事を考えると、
プロト・スターク・ジェガンは厳しいかもしれませんね。
せめて今回のキットがCCA-MSV版を名乗っていなければ希望があったのですが…。

なお、ジェガン系には他にも多数のバリエーションモデルが存在しています。
公式に登場するほとんどのモデルをこちらの記事でまとめていますので、
よろしければご覧下さい。


と、前置きが長くなってしまいましたが、
今回だけはきちんと書いておかないといけない事なので書いてみました。
という事で、ここからはキットレビューです。


↓パッケージです。
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いつものプレバンのモノクロパッケージですね。


↓多色成形のAランナーです。
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パーツ構成はガンダムUC版に近いですが、
UC版では省略されているビームライフルと
シールドのグレーパーツが付属しています。
シールドはパーツが足りないので組めませんが、
ビームライフルは必要なパーツが揃っているので組めます。
これらのパーツが付属する理由は、
腰部ハンドグレネードの為です。
そのたった1パーツの為だけに、スイッチの位置の関係で
ビームライフルとシールドの一部とシールドミサイルが付属しています(笑
成形色は全ての色がガンダムUC版と同じになっています。


↓多色成形のBランナーです。
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Bランナーはパーツ構成も成形色も
全てガンダムUC版と同じになっています。


↓Cランナーです。
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Cランナーもパーツ構成及び成形色ともに
ガンダムUC版と全く同じです。
プレバン限定ジェガンD型の新規パーツである耳のパーツはありません。


↓ABS製2枚組のDランナーです。
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ABS製である事も成形色も、すべてガンダムUC版と同じです。
「塗装できるポリキャップ」とも呼ばれる
ABSに代わる柔らかいPS樹脂「KPS」に置き換わっていたりする事もありません。


↓2枚組Eランナーです。
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このランナーもガンダムUC版と全く同じになっています。


↓Fランナーです。
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このランナーもパーツ構成や成形色とも変わりありません。


↓新規パーツとなるI1及びI2ランナーです。
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完全新規パーツとなるIランナーは、
大型ミサイルの弾頭部分のグリーンだけ2個付属させる為に
スイッチで分離されています。
I1ランナーの方には他に専用デザインの頭部やコクピット等があります。
頭部はまさかのアンテナまで一体成形という手抜きっぷりで、
マスクやアンテナ基部、コクピットハッチの赤色まで
成形色での再現はされていません。


↓新規パーツのJ1及びJ2ランナーです。
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完全新規のJランナーも大型ミサイルのパーツと、
アーマー無しミサイルポット基部等が配置されています。
2連装の大型ミサイルは2つのミサイルが連結部ごと一体成形となっていて、
ミサイルを分離する事ができません。
パッケージでは1発発射してるのにね。


↓ポリキャップとシール類です。
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ポリキャップは成形色も含めてガンダムUC版と全く同じです。
シールはマーキングシールもホイルシールも新規となっています。
ホイルシールは主に新規パーツの赤色部分を補うものが中心となっています。
ガンダムUC版ではクシャトリヤとの戦闘でサーベルを使っていたので
ビームサーベル刃が付属していましたが、
このキットには付属していません(サーベルグリップは入っています)。


↓説明書デス。
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組立説明書はガンダムUC版のものが入っていて、
新規パーツ用のシートが1枚追加されているだけです。


それでは、さくっと組み立ててみます。
まずは赤いシールを貼る前の状態から。

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元々明貴美加版からして派手な印象が強いので、
赤色が無くなるとずいぶん派手さが抑えられて渋く感じますね。
ガンダムUC版ジェガンはグリーンも控えめな色合いなので、
なんかこっちの方が良い気もしてきます。

でもちゃんとシールは貼って完成させます。

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ガンダムUC版との違いがあまりにも少なくなってしまっているので、
ガンダムUC版スターク・ジェガンにしか見えない気がしますね。

ミサイル類を外してみます。

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この状態だと、もうほとんど「高機動型ジェガン(ガンダムUCep2登場)」にしか見えませんね。

ついでに、ミサイルジョイント付きと大型ミサイル無し。

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大型ミサイル無しの状態はもうほとんど「ダブルバルカンポッド仕様」にしか見えませんね。
もしダブルバルカンポッド仕様がキット化されたら、
並べて見ないと違いがわからなくなりそうです。


各部のアップを適当に。
まずは新規パーツまわりから。

新形状の頭部です。
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デザイン自体はなかなかカッコ良いのですが、
やはり無理矢理な一体成形が造形に悪影響を与えているように見えますね。
特にアンテナとシールでの赤色再現。

大型ミサイルです。
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大型ミサイルは2本一体成形ですが、
3連装ミサイルポッドにジョイントを付けたままでも
着脱は可能です。

腰部ビームライフルホルダーです。
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新規パーツのビームライフルホルダーは
スターク・ジェガンに付属するジムU型ビームライフルを
取り付ける事ができます。
ホルダー形状が左右対称なので
左右どちらにも同じ向きで取り付けができ、
取り付けたままビームライフルを前後方向へ向ける事もできます。
またビームライフルの取付部も左右対称なので、
左腰に同じ向きでビームライフルを取り付ける事ができ、
キットを2個買って左右につければ、
画像のようにビームライフル2丁を同じように前後へ向ける事ができます。

新規パーツで再現されたハンドグレネードラックです。
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形状はジェガン通常版やD型と同じで、
ただランナーの都合で付属しないものを
新規パーツに盛り込んだだけです。

脚部です。
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脚部まわりは特に新規パーツはありませんので、
ガンダムUC版と全く変わりありません。

あとは武装関係です。
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新規パーツ以外でのガンダムUC版との武装の違いは、
ビームサーベル刃が付属しない代わりにジェガンライフルが付属するくらいです。


↓オプション一覧と、余りパーツ一覧です。
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基本的に、ガンダムUC版に付属するパーツは
ビームサーベル刃以外全て入ってるので、
武装は豊富なうえにライフルが1丁増えています。
また、サーベル刃以外のパーツが揃っている為、
「ガンダムUC版スターク・ジェガン」としても組む事ができます。

という訳で、ガンダムUC版として組んでみました。
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パーツ形状も成形色も全てガンダムUC版と同じなので、
完全にガンダムUC版になります。

ガンダムUC版にも大型ミサイルが取付できます。
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CCA-MSV版で追加された大型ミサイルは
取付部形状がガンダムUC版のアーマー付きジョイントと
全く干渉しない為、ガンダムUC版にもそのまま取り付けできます。
…付けても違和感が無い、というよりも違いがほとんどありませんね。


CCA-MSV版とガンダムUC版を比較してみます。
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増加装甲とか微妙に違いがあるはずなのに、
あまりによく似ていて並べても違いがわかりづらいですね。


適当に武器を構えてみます。
ビームサーベル刃とかハンドパーツとかオプションとかを
他のキットから借りてきています。

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短いビームサーベル刃はガンダムUC版から、
長いビームサーベル刃はZZガンダムから、
平手はユニコーンガンダムUMから、
シールドはジェガンD型から借りてきています。
途中で映っているジェガンD型はep3パラオ攻略戦に登場した
左右両方にハンドパーツラックを装備している仕様
を再現してみました。


おまけ。
ガンダムUC版スターク・ジェガンの頭部に、
エコーズ仕様のピンクのゴーグルとCCA-MSV版の新規の額パーツを組み合わせてみました。
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画像だとちょっと伝わりづらいのですが、
実際にはもうちょっとカッコ良く見えます。
ゴーグルの裏にメタリックテープを貼るか
カメラモールドをシルバーで塗ってやると良いかもしれませんね。

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スターク・ジェガン、フルバースト(笑
左の銃持ち手をバンシィVer.GFTから借り、
CCA-MSV版を2個使っています。


という感じで「スターク・ジェガン(CCA-MSV ver.)」でした。
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本来なら逆襲のシャアは元より
ガンダムUCの小説版にもアニメ版にもどこにも登場していない
カトキハジメ氏リファインのスターク・ジェガンがキット化された訳ですから
それはそれで嬉しい事なのですが、
やっぱり「CCA-MSV」を名乗る以上は
明貴美加氏デザインの方をキット化して欲しかったですね。
CCA-MSV版がカトキリファイン版で出てしまった以上、
完全新規でしか発売できないプロト・スターク・ジェガンは望み薄でしょうか?
…しかし、実はプロト・スターク・ジェガンですら
カトキハジメ氏によるリファイン版の画稿が存在していたりする
ので、
ジェガンD型準拠のデザインになっている
カトキリファイン版プロト・スターク・ジェガンでなら
キット化できるかもしれませんね。
というか、それをも見越してのカトキリファインなのかもしれませんね(違
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posted by ろあの〜く。 at 06:21| プレバン限定ガンプラ