12月のプレミアムバンダイ限定ガンプラ「HGUC リバウ」です。
そのデザインのカッコ良さから事前の人気と期待は高かったものの、
実際に発売されたキットは多くのガンプラファンの期待を全力で裏切る、
近年稀に見るとんでもない完成度の低さでした…。
このリバウは昨年8月に一新されたガンダムフロント東京のDOME-G映像
「機動戦士ガンダムUC One of Seventy Two」に登場する
ユニコーンガンダム3号機フェネクスと共に新設定されたガンダムUC-MSVです。
DOME-G刷新と同時の発売だった3号機フェネクス(デストロイモード)に
遅れる事4ヶ月、予想外に速かった商品化とは裏腹に
「プレバン限定」「HGUCバウの流用」という2つのポイントから、
その段階で既に完成度に期待できない事は容易に想像できました。
しかし実際に発売された商品はそんな甘っちょろいものではなく、
予想を遥かに上回る完成度の低さから
昨年末ガンプラファンの間で大きな話題になりましたね。
プレバン限定商品は基本的にキャンセルができませんので、
届いたキットを見てガッカリした人はさぞ多かった事でしょう。
私もその一人なので、年末に予定していたレビューもここまで遅れました。
キットを見ていて、作っていてとにかくモチベが上がりませんでした。
元からバウ好きなうえに信者と公言するほどのカトキファンでありUC好きな事もあって、
人一倍リバウのガンプラ化には期待していたので、
それがここまで完成度が低いと泣きたくもなりますね。
と言っても元のHGUCバウは、
発売された時期を考慮に入れるなら「かなりよくできたキット」と言えます。
合わせ目やポリキャップ由来の関節構造は
「発売された時期」故に仕方が無い事ですが、
2000年に発売された割にHGUCバウには
近年のガンプラの基本となっている
膝の2重関節や大腿部ロール軸なんかも
変形の為とはいえ採用されていたりもしますし、
下半身を中心に脆弱な関節構造の割には可動範囲は広く、
大半の部位がポリキャップ接続により完成後でも着脱可能になっていて、
挟み込み関節は近年のHGUCよりもむしろ少ないくらいです。
そんなHGUCバウをベースに
「新規パーツを極力1つの金型に収める」事を前提設計とした今回のHGUCリバウは、
その前提条件に無理がありすぎて
多くのガンプラファンに酷評されるほどのものになってしまいました。
もはやモデラーさんの改修スキルを試す為のキットなんじゃないかって
そんな風に考えたくなってしまうキットですが、
とりあえずレビューしてみたいと思います。
↓パッケージです。
プレバン限定ガンプラ共通のモノクロパッケージですね。
↓多色成形のAランナーです。
HGUCバウのAランナーの成型色を変更したものです。
黒い部分はやや茶色がかったダークグレーになっています。
↓腕や脚、その他の外装系のB1・B2ランナーです。
これもバウの流用ランナーです。
フル・フロンタルのカラーである深みのあるレッドに
成型色が変更されています。
グロスインジェクションではないので、光沢感はありません。
↓関節部やバウ用武装類のCランナーです。
ここまでがHGUCバウから流用されたランナーです。
CランナーはAランナーのボディ等とは異なるグレーで成型されています。
↓ビームライフルやハンドパーツ等のDランナーです。
ここからがリバウで追加されたランナーになります。
このDランナーはHGUCシナンジュからの流用ランナーです。
Cランナーと同じグレーで成形されています。
元がシナンジュ用なので、使用しないパーツがかなり多く入っています。
↓リバウ専用新規パーツとなる2枚組多色成形のEランナーです。
このEランナーが今回の完全新規金型ランナーです。
この金型1つにリバウ用の新規パーツを全て押し込んだ都合上、
本来なら1つしか使用しない頭部やシールド、腰部等のパーツも
全て2つ付属する事になります。
おかげで改修前提のモデラーさんには予備パーツ的に使えそうですが、
パチ組み前提の大多数の一般ガンプラファンにとっては
シナンジュ流用のDランナーも含めて不要パーツが大量に入っている為、
そんなの要らないから完成度上げてよって思われる一因となっています。
まぁ新規金型を2つにするより1つにまとめて
不要パーツが大量に出る方がコストは安く済むものではありますが、
そんな事知らないし無関係な消費者にとっては不満だらけなんですよね。
大人の世界の悲しいお話ではありますね。
↓サーベルエフェクトパーツの2枚組Fランナーです。
これもシナンジュから流用されたランナーです。
成型色もシナンジュの時と同じです。
↓ポリキャップとホイルシール、組立説明書です。
HGUCバウのポリキャップに加えて、
リバウ用新規パーツで使用する為のポリキャップが付属していますが、
追加ポリキャップのうち使用するのはBのみで、大半のAは不要となっています。
ホイルシールはモノアイとエングレービング用です。
モノアイは好きな位置に貼るタイプで、予備が2つ付属しています。
↓組立説明書です。
組立説明書を見れば、新規パーツの組み込み方や
リバウの変形方法等もよくわかると思います。
新規パーツが非常に多い事もあって、
組立説明書は新規のものになっていました。
イラストや完成写真等は全くないモノクロ印刷なのは
プレバン限定ガンプラでは基本ですね。
とりあえず組み立ててみます。
まずはエングレービングのシールを貼っていない状態から。
元々のHGUCバウからしてプロポーションは割りと良い方だった事もあり、
素組みのリバウもぱっと見のスタイルは悪く無いですね。
あくまで素立ちを遠目で見ている分には、これでも良いと思えます。
エングレービングのシールを貼って完成させます。
エングレービングがしっかり見えるようになると、
かなりいい感じになりますね。
ホントに遠目で見ればそこまで悪く無いと思えてしまいます。
通常の飾っている状態で至近距離で見る事はあまり無いはずなので、
バンダイさんもこんな手抜きをしてしまったのでしょう…。
各部のアップを見ていきます。
あまり細かい部分を見たく無いのですが…。
13年以上前に発売された古いHGUCバウと
最新のリバウのパーツを組み合わせる構造上、
パーツ同士のチリが合わない事がかなり目立つようになっています。
頭部は接続部とトサカがバウからの流用で挟み込み構造の為、
真正面に合わせ目が出ますが、
リバウでは元のバウ以上に合わせ目が目立ちます。
というか個体差なのか私のキットはきちんとはまらなくて
マスク部分の隙間が目立ってしまいます。
もはや接着前提みたいな感じです。
バックパックも隙間が開きやすいのはそのままです。
胸部はバウからの流用の為、エングレービングのモールドがありません。
またフロントスカートのエングレービングは
新規パーツを上から接着する為、パーツの分の厚みがそのまま目立ちます。
前腕部分のエングレービングは、グレネードユニットから新規パーツになるので
ここだけは自然になっていますね。
完全新規パーツで最も大きな脚部増設スラスターユニットは、
2つのポリキャップによる接続アームのお陰で、
ものすごくよく動きます。
元のバウ自体の脚部が変形の為によく動くので、
脚部周りは可動範囲が広く、増設スラスターユニットと合わせて
表情がつけやすくなっています。
スラスターノズルは固定の為向きを変えられません。
大型化されたサイドスカートは
可変機構の為に新規パーツの腰部も構造はバウのままなので、
せっかくの脚部の可動範囲を狭めてしまっています。
ライフルとシールドを装備させてみます。
一切の色分けがなされていないシールドが寂しいところですが、
フル装備にするとやはり見栄えは良くなりますね。
↓ビームライフルです。
シナンジュから流用されたビームライフルは、
当然シナンジュと同じように、グレネードランチャーを装備できます。
ハンドパーツも手甲以外はシナンジュからの流用なので、
保持力も固定ピンがあるのでバッチリです。
手首のボールジョイントもサイズはバウと全く同じなので、
緩くてすぐ向きが変わるとかはありません。
↓シールドです。
外装が新規デザインとなるシールドは、本来は外枠がホワイトで、
バウではメガ粒子砲があった部分がパープルのフタパーツになっていますが、
このキットではグレー1パーツ成形で色分けシールも無いので、
塗装しない限りグレー単色のままです。
シールド接続部はHGUCバウのものを流用するので
ボールジョイントにより結構自由に角度を付ける事ができます。
シールド裏面にはシナンジュ同様にビームトマホークを装備できます。
取り付け方法もシナンジュと同じなので、
収納状態とビーム展開状態とで差し替える必要があるのも同じです。
またシールドにはグレネードランチャーも取り付けできます。
↓ビームサーベルです。
キットに付属するビームサーベルはHGUCバウからの流用のもの1本のみですが、
バウのサーベルはビーム刃まで白一体成型の味気ないものです。
ハンドパーツがシナンジュ用なので微妙にサイズが合わず、
持たせても保持力は一切無くグラついてしまいます。
しかしキットにはシナンジュのサーベルエフェクトも入っているので、
サーベル刃を切り落として取り付けてみました。
比較用として、一般的なHGUC用のサーベル刃も付けてみましたが、
HGCU共通サーベル刃はバウのものよりもやや短くカッコ悪いですね。
やはりシナンジュのサーベル刃が一番カッコ良いですし2本付属するのも良いですね。
せっかくサーベルエフェクトも付属するのですから、
サーベルグリップくらい新規で付けてくれても良かったのに…。
これも残念ポイントのひとつですね。
↓ビームトマホークです。
ビームトマホークとその持ち手は全てシナンジュからの流用なので、
当然シナンジュでできた組み合わせは全てリバウでもできます。
サイズも大きく迫力があってカッコ良いです。
手に持たせてもシールドで展開しても、ここはとにかくカコイイですね♪
このキットでは前述の通り、元となったHGUCバウのパーツが全て付属しています。
その為、バウ用のライフルやシールドもそのまま装備する事ができます。
そんな訳で、バウ用のライフルとシールドを装備させてみました。
設計が古いバウ用の装備だと、やはりボリューム感が足りないですね。
脚部増設スラスター等もあって本体のボリューム感は増えてるから
余計にそう思えてしまいます。
↓バウ用ビームライフルです。
バウ用のハンドパーツも全て付属しているので、
差し替え等無しでそのまま装備させられますが、
バウのライフルは固定ピン等は無いので保持力が全く無く、
グラグラしてしまいます。
↓バウ用シールドです。
メガ粒子砲部分も含めて外装が1パーツ成形になっているので、
斜めを向いているメガ粒子砲が金型の抜きの関係で不格好になっていますね。
シールド裏面の接続パーツは1つしか無いので、
リバウ用シールドとの選択式です。
↓ハンドパーツです。
リバウのハンドパーツはライフルやビームトマホーク等と同じランナーに入っていますが、
手甲部分はシナンジュとリバウでデザインが異なる為、
リバウの新規手甲をシナンジュのハンドパーツに取り付ける事になります。
しかしデザインが異なる故に、シナンジュ用デザインのハンドパーツは
画像のように微妙に形状が合わない事に。
ただ見た目ほとんど目につかない部分なのであえてそうしたのでしょうね。
手甲のデザインが再現されていないガンプラなんてたくさんあるのに、
どうしてこんなとこだけ新規パーツで再現したのでしょうか。
まぁバウのランナーだけでは手甲が足りないからでしょうが、
それにしても細かいところに色々無理がありますね。
HGUCリバウは基本的にはHGUCバウのカラバリのようなものなので、
ほとんどの関節可動範囲はHGUCバウに準じています。
とりあえず適当に変なポーズを取らせてみました。
やはり脚部はよく動きますね。
スリッパ部分は元のバウでは変形機構の為閉じる事ができましたが、
同じ変形機構を持っているはずのリバウでは
なぜかスリッパが前後一体成型で閉じる事ができなくなっています。
なぜ退化させたのでしょうか…。
ここにも新規金型を1つに抑えた弊害が出ていますね。
また腰部が新規パーツになっているにも関わらず、
アクションベース対応になっていません。
近年バリエで発売された古いHGUCでは
股関節軸にアクションベース対応パーツを追加するものも多いのに、
最新のリバウで非対応はとても悲しいものです。
スラスターの穴のところに穴開けるくらいでいいのに…。
きっと「穴開けるくらい自分でやれ」という事なのでしょうね(^^;
さて、リバウにはバウと同じ合体変形機構があります。
という訳でリバウ・アタッカーとリバウ・ナッターに
変形させてみました。
↓上半身の飛行形態である、リバウ・アタッカーです。
MS形態でもアクションベースには非対応なので、
当然飛行形態でもアクションベースには対応していません。
その為撮影時結構面倒臭かったです。
ビームライフルは専用の接続パーツで無理矢理取り付けてる感じです。
ライフルの取り付ける向きは上下逆にする事もできますが、
その場合はセンサー部分を取り外す必要があります。
MS形態では装備していない3連ミサイルが、
変形すると突然出現する不思議。
↓下半身の飛行形態である、リバウ・ナッターです。
元のバウからしておかしな変形だった下半身は、
リバウでもやっぱり変でした。
しかもリバウではスリッパが閉じないから、余計にかっこわるくなっています。
増設スラスターユニットも無理矢理感がありますし、
ここまでして変形機構を持たせる必要性があるのか疑問にもなります。
でもDOME-G劇中でも分離変形しているので、仕方が無いですね。
サイドスカート前後にあるスラスターっぽい穴には
3連ミサイルが取り付けられます。
つまりスラスターとかではないのですね。
というか、MS形態では装備していないミサイルは
ホントに一体どこから出てくるのかと。
しかもここに付けたらMSに変形した時どうなるのよ、と。
なんかリバウって適当に設定されたような感じがしますね(笑
↓オプション一覧です。
画像右側のバウ用ライフル&シールド以外にも
不要パーツで色々余ります。
画像だけ見るとオプション豊富でいいなと思えますが、
価格を考えるとこれでも足りないくらいです。
せめて新規のサーベルグリップ2個と最低2色に色分けされたシールドさえあれば…。
さて、ここからはおまけです。
HGUCバウのカラバリキット等との比較とか色々。
↓HGUCバウ(グレミー機)との比較です。
ZZ劇中での色合いから赤っぽい印象のあるグレミー機ですが、
真っ赤っ赤のフロンタルカラーと比較すると、その差は歴然ですね。
というか、グレミー機ってここまでオレンジでしたっけ?(^^;
↓HGUCバウ(フロンタルカラー)です。
HGUCリバウにはHGUCバウの全てのパーツが付属する関係上、
当然ながら「バウのフロンタルカラー」も作る事ができます。
という訳でやってみました。
やはり元々が「バウ」として設計されている為か、
リバウに比べると違和感がありませんね。
なんかもう、これでいい気がしてきます。
↓HGUCバウ(GPBカラー)との比較です。
模型戦士ガンプラビルダーズに登場したピンクのバウと。
画像枚数が多くなりすぎるので、飛行形態の比較は省略です。
↓HGUC袖付き量産型バウを作ってみました。
HGUCバウ(量産型)にリバウの腕部エングレービングパーツを流用して
袖付き量産型バウにしてみました。
エングレービングがフロンタル大佐のものですが、
袖付きバウのイメージはわかると思います。
もしくは大佐クラスのパイロットが乗ってるという考えでも良いかもしれませんね。
胸部ダクト下とフロントスカートのエングレービングが無いのは
それらが(シナンジュも含めて)フロンタルという特別な存在専用だからだと思うので。
他の袖付き量産機でもそこまで無いですから、それらに習って。
そんなこんなで、色々あった「HGUCリバウ」でした。
何かと残念な部分が目立ちまくっていますが、
元がデキの良いHGUCバウですから、
悪い部分を修正してやるだけで一気に化けると思います。
ただ修正箇所が多くなるので、とても普通のガンプラファンにできるレベルではなく、
それができる人イコールモデラーさんな訳で、
結局のところ改修前提のキットという事にもなりますね。
接着部分が多い事も、古いキットの流用の無理矢理感を露呈させていますし、
ガンダムフロント東京のDOME-Gや3号機フェネクスとか、
フル・フロンタルの名前を冠するMSという事とかもあるので、
せっかくだからGFT初の完全新規ガンプラで発売して欲しかったところです。
HGUCリバウが酷評される理由のひとつに「価格」もありますね。
元のHGUCバウが可変機ながら定価¥1,200で割りとデキが良くて
しかも量販店ではわずか¥800足らずで買えるにも関わらず、
手抜きと言われても仕方が無い完成度の低さで
その倍額にあたる¥2,500の定価販売プラス送料必須の
実売価格¥3,025ですからね。
それだけあれば実勢価格でHGUCバウが4個くらい買えそうです。
それだけ高いのだから、せめて内容が多少なりとも
その価格に見合うものであって欲しかったと思うのは、
わがままな事なのでしょうか?
しかしプレバン限定とはいえHGUCで発売されてしまった以上、
今後リバウが1/144ガンプラで新規に出る可能性はまず無いでしょう。
かと言ってバウすら出ていないMGでの発売は
今の御時世で期待できないでしょうし、
事実上このHGUCリバウが「リバウ唯一のガンプラキット」となると思います。
アニメのガンダムUCももう終わりですし劇中に登場する可能性も無いでしょうし、
後はPS3のゲームの続編が出て、そこで前面に出てくれれば
MGシナンジュ・スタインのような可能性も見えますが…。
今のところは望み薄ですね。
