

2013年12月7日より販売が始まったガンダムフロント東京限定ガンプラ
「HGUC ユニコーンガンダム2号機バンシィ(デストロイモード) Ver.GFT」です。
このキットは同年8月に一新されたガンダムフロント東京DOME-G映像
「機動戦士ガンダムUC One of Seventy Two」に登場し、
ユニコーンガンダム3号機フェネクスやリバウらと戦闘した際のバンシィです。
DOME-G刷新と同時の発売だった3号機フェネクス(デストロイモード)に
遅れる事4ヶ月、フェネクス同様にガンダムフロント東京での限定ガンプラとして
販売が始まりました。
なぜにリバウだけ仲間はずれなのでしょう、完成度?
このバンシィVer.GFTは基本的にはガンダムUCepisode4〜5に登場するバンシィの
装備違いにあたります。
まだマリーダがパイロットになる前のテスト段階のもので、
右腕にアームドアーマーVN、左腕にビームマグナムを装備しています。
また襟周りの金色の装飾もまだありません。
キットではその装備違いを再現している他、
通常販売されているHGUCバンシィよりサイコフレームの成型色を変更しています。
サイコフレームの成型色は通常版がオレンジメタリック成形だったのに対し、
Ver.GFTではユニコーンガンダム3号機フェネクスの外装に使用された
イエローパールクリアと全く同じ成型色になっています。
つまりサイコフレームは仮にもクリアパーツという訳です。
パーツ構成的には、左手のビームマグナム持ち手を追加したのみで、
それとサイコフレームの成型色以外は全てHGUCバンシィ通常版と同じです。
またアームドアーマーVNとBSは通常版でも左右どちらの腕にでも装備できるので、
左のビームマグナム持ち手さえ別キットから流用
もしくはビルダーズパーツ等で用意できるなら
通常版でもVer.GFTの形状を再現できます。
私もフェネクスのレビュー記事でやっています。
↓パッケージです。



他のガンダムフロント東京限定ガンプラと同様のデザインとなっています。
ボックスアートのバンシィはユニコーンガンダム1号機のCGイラストを
流用して左右反転させたような感じになっています。
↓多色成形のAランナーです。



頭部サイコフレームの成型色以外、
全て通常版と同じになっています。
↓外装系Bランナーです。



通常版と成型色もパーツ構成も全て同じになっています。
グロスインジェクション仕様という訳でもありません。
↓腕や脚等の2枚組Cランナーです。



こちらもBランナーと同じく通常版と全く同じです。
↓武装類のDランナーです。






パーツ構成上唯一の変更点があるのが、このDランナーです。
ユニコーンガンダム1号機でも使用されているこのDランナーに、
左手のビームマグナム持ち手が追加されています。
また左手でビームマグナムを持つ為に、
ビームマグナムのグリップ部分の固定ダボの形状が変更されています。
これは金型そのものに追加修正を加えている為、
このバンシィVer.GFT生産開始以降に生産された
同じランナーを使用する全てのHGUCユニコーンガンダムのバリエに付属する
全てのビームマグナムのグリップが同じ左右両方の手に対応するものになっています。
しかしこの両手対応の固定ダボが曲者で、
結果的に左右どちらの手に持たせても保持力が大幅に落ちてしまっています。
詳細は後述します。
↓サイコフレームのEランナーです。



成型色が変更されているサイコフレームのランナーです。
フェネクスと同じイエローパールクリア成形になっているので、
クリアパーツ故にわずかに透き通っていて、プラが硬いです。
仮にもクリアパーツなので、暗い色の外装色に取り付けると
色が暗くなってしまいますが、
元が明るくパールで光って見えるので、そこまで色落ちはしないようです。
↓アニメ版で追加されたアームドアーマー等のFランナーです。



このVer.GFTではアームドアーマーはVNしか使用しませんので、
アームドアーマーBSは不使用扱いですが、
組み立てに必要なパーツは全て付属しているので、
イエローパールクリアのアームドアーマーBSも作れます。
↓頭部アンテナ等のGランナーです。



このランナーもEランナーと同じく
イエローパールクリアで成形されています。
アニメ版の襟周りのパーツも付属しているのでアニメ版ボディを作る事ができます。
↓ポリキャップとホイルシールです。



ポリキャップは成型色も通常版と同じです。
ホイルシールは基本的には通常版と同じですが、
通常版では印刷色の都合上ビームマグナムのセンサーも赤くなっていましたが、
これは通常版では不使用扱いのビームマグナムも組む事ができる為のおまけでした。
Ver.GFTではビームマグナムを使用しますので、
ちゃんと設定通りにセンサーがグリーンになっています。
これ以外の違いは無いのですが、ここをしっかり再現してくれているのは良い点ですね。
まぁこのくらいは100均でメタリックテープでも買ってくれば良いだけですが。
↓通常版とのボックスアートと説明書の比較です。


組立説明書は左右の腕の装備が異なる為、
GFT専用のものが用意されています。








ガンダムフロント東京限定ガンプラはプレミアムバンダイ限定ガンプラや
一般販売のガンプラと同じく、部品注文が可能です。
ガンプラHGUCでは滅多に左手の銃持ち手が付属しない為、
実は結構貴重な左銃持ち手だったりします。
手首に角度も付いていないというのも貴重ですね。
サクっと組み立ててしまいます。











基本的にはサイコフレームの成型色が違う程度で、
ほとんど通常版と同じなので、それほど違和感もありませんね。
各部のアップを適当に。















サイコフレームは一応仮にもクリアパーツなので、
若干ではありますが紺色の外装色が透けています。
そのせいでランナー状態では綺麗な黄色いパールクリアであっても
完成後は少し曇ってしまっていますが、
1号機等の他のクリアパーツのサイコフレームに比べると、
あまり色負けしていないですね。
↓問題のビームマグナムです。






画像で見ている限り、どこに問題があるのかさっぱりわかりませんね。
この時点では一応保持力はそこそこありましたが、
従来のビームマグナムに比べると保持力は極めて低く、
何度か触っていると、指パーツごとポロリするようになります。
↓ビームマグナムまわりの問題点をまとめてみました。






製作当時Twitterに上げた画像2点も改めて載せてみます。
保持力低下の最大の理由は、左手でも持つことができるように
グリップの左側にも固定ダボを追加しつつ、
左右どちらで持っても指パーツ側が固定ダボに干渉しないように、
指パーツが当たる部分のダボを削った形になっています。
その結果固定ダボは長細い逆三角形型になっていますが、
元の右手専用だった時の固定ダボに比べると
大きさで約1/3にまで小さくなっています。
さらに逆三角形型になっているせいで、
手のひらのダボ受けの凹の中で動きやすくなっていて、
手に持たせて指パーツで固定しても、
ビームマグナム本体を触っているうちにダボがダボ受けから外れてしまい、
それにより指パーツごとポロリするようになります。
組み立てた最初の頃は良いのですが、
動かしたりポーズ弄ったりして遊んでいるうちに外れやすくなるようです。
そして最も問題なのは、この固定ダボは
このDランナーの金型そのものに手を加えたという事。
これにより、同じDランナーを使用する全てのHGUCユニコーンガンダムの
バリエキットは、これ以降生産される全てで同じビームマグナムになります。
左手の銃持ち手が付属するのはVer.GFTのみですが、
ビームマグナムの固定ダボはどのユニコーンガンダムでも
左右両対応になっています。
つまり、Ver.GFT以外は従来の生産分に比べてただ保持力が低下しただけです。
小さそうで大きい改悪だと思いますが、
作った最初のうちは気づきにくいのが厄介です。
ただでさえバックパックのビームサーベルが折れやすいとか
首と足首の関節が緩い事で有名なHGUCユニコーンガンダムに
新たな欠点が追加されてしまったという残念な仕様変更でした。
今後どうにかして改善してくれると良いのですが…まず無理でしょうね。
↓アームドアーマーVNです。






サイコフレームの成型色が変更された以外、通常版と同じです。
左右どちらの腕にも取り付け可能です。
このバンシィVer.GFTのキットでは前述の通りに
小説版及びアニメep4〜5登場版を再現する為のパーツが全て付属しています。
という訳でそれらも再現してみました。
まずは小説版バンシィ(デストロイモード)です。











続いてアニメ版バンシィ(デストロイモード)です。

















サイコフレームの成型色が変わった事によるイメージの違いを確認する為に、
バンシィ通常版と比較してみます。









Ver.GFTのサイコフレームはイエローパールクリアなので、
紺色の外装色がわずかでも透けてしまう関係で
どうしても色落ちしてしまいます。
その点オレンジメタリック成形の通常版は色も濃い目という事もあって
紺色の外装色に全く負けていない点が優秀ですね。
けれど成型色そのものはイエローパールクリアのVer.GFTも十分綺麗なので、
どちらも魅力的です。
いっそ、アンテナとサイコフレームで使い分けてみるのも良いかもしれませんね。
↓オプション一覧です。

基本的には画像に映ってるオプションはほとんど「不使用扱い」です。
またこの画像にはひとつ間違いがあり、
右の平手が映っていますが、
バンシィ(デストロイモード)Ver.GFTのキットに右の平手は付属しません。
以上「HGUC バンシィ(デストロイモード) Ver.GFT」でした。

キットそのものはそれなりに良いものなのに、
目立つ大きな弱点もあるので、総合的にはやや微妙ですね。
やはり最大の問題点である左右両手対応化による
ビームマグナムの保持力低下は残念でなりません。
保持力があるのが最初のうちだけ、というのがまた辛いところ。
また左の銃持ち手が1個追加されただけで値上げされたうえ、
GFT限定ガンプラ故の定価販売という点でも価格的に割高感があります。
サイコフレーム以外に成型色も違わないし
今は左手の銃持ち手の確保もだいぶ楽になったので、
簡単にVer.GFTを通常版で再現できます。
近場の人でもない限り無理してVer.GFTを買う理由があまり無いのですね。
MGではビームマグナムはフォアグリップを左右どちらにでも付けられましたが、
このHGUCではフォアグリップは左側にしかありません。
いっそHGUCフルアーマーユニコーンガンダムのように
ビームマグナムだけでも別ランナーで左手用を作って欲しかったところですね。
たぶんHGUCフルアーマーユニコーンガンダム設計段階では
バンシィVer.GFTなんて存在しなかったのでしょう。
でなければ右手専用のビームマグナムをフルアーマーで新規に用意する必要も無いですし。
…なんだか細かいとこ見てると不満点多いですが、
トータルで見れば元のバンシィが良かったので
これも悪く無いんですよね。
サイコフレームも綺麗ですし。
さて、この春にはHGUCバンシィ・ノルンのデストロイモードも発売になりますね。
どうやらサイコフレームの成型色がクリアオレンジになるようで、
劇場限定のラメ入りではなくて、MGバンシィ(アニメ版)と同じでしょうか?
というかHGUCバンシィ・ノルン(ユニコーンモード)におまけで付属した
半可動式アームドアーマーVNのサイコフレームと同じなのかも?
どちらにせよ、またサイコフレーム組み換え遊びの幅が広がりそうですね。
…教えてくれ五飛、私はあと何体のユニコーンガンダムを作れば良い?
私はあと何回、サイコフレームの組み換えをしなければならない?
ゼロは私に何も教えてはくれなかった…(笑
